珈琲人名鑑

30年間、初心を貫き
焙煎したての美味しさを届ける

有限会社 ネルソンコーヒー代表取締役 里館薫

コーヒーにおける鮮度を何より大事にするネルソンコーヒー。創業以来30年間、注文を受けてから焙煎し、翌日にはお客様の元へ届けることを貫いている。すべては煎りたてのコーヒーの美味しさを届けるため。創業者、里館薫氏の揺るぎない想いを聞いた。

煎りたての美味しさに魅了され、自家焙煎コーヒー店を創業

里館氏とコーヒーとの出会いは、学生時代。先輩のすすめで始めた地元、仙台の喫茶店でのアルバイトだった。卒業後、某コーヒーロースターに入社。関東の焙煎工場を訪れた際に飲んだ煎りたてのコーヒーに衝撃を受けたという。焙煎したての新鮮なコーヒーはこれほどまでに美味しいのか。その味に魅了され、里館氏は独立を決意。1985年にネルソンコーヒーを創業した。

創業後はサラリーマン時代の営業先や友人の口コミで少しずつ取引先が増えていった、と話す里館氏。焙煎技術を磨くひとつのきっかけとなったのが、地元のフレンチシェフからの注文だ。海外のコーヒーの味を知るシェフのオーダーは細かく、何度も焙煎やブレンドを変えて、その店のための味作りに励んだ。その精神は今でも変わらず「卸先の店は自分の店、その店のお客様は自分のお客様だと思っています」と、里館氏は語る。

焙煎したてのコーヒー豆を届ける、守り続ける創業当時の決意

創業から30年経った今でも絶対に曲げられない、と話すのが、鮮度の高いコーヒー豆を届けることだ。里館氏がコーヒー業界に入った1975年頃、仙台には個人経営の自家焙煎コーヒー店はほとんどなかった。当時は生産効率が重視され、流通も限られていた時代。大手企業で大量に焙煎されたコーヒー豆はパッケージングされ、そこから順に量販店へ出荷。消費者の手に届く頃には焙煎から1ヶ月以上経過しているということも少なくなかった。

しかしそれではコーヒー本来の美味しさが届けられない。里館氏は自身が感動した味を届けるために、焙煎したての新鮮なコーヒー豆を提供すると決めた。地元のレストランやカフェ、生協、量販店など今では取引先は100近くにものぼり、店ごとのオリジナルブレンドも多く手がけるが、注文を受けてから焙煎し、煎りたてのコーヒー豆を届ける、という完全受注制を創業以来30年以上、貫き通している。

野菜や米と同じ。
コーヒーも鮮度が重要

コーヒー豆は生鮮品、ニュークロップをメインに仕入れる

コーヒー豆だけでなく、生豆の鮮度にも妥協はしない。ネルソンコーヒーは、ニュークロップと呼ばれる1年に一度の収穫期に採取されたばかりの生豆を仕入れている。米でいうところの新米だ。

生豆は生鮮品のため、当然、時間が経つに連れ本来の風味は失われていく。「野菜や米の鮮度には敏感なのに、どうしてコーヒーだけはないがしろにされるのでしょうか」。焙煎方法やドリップの技術なども重要だが、まず新鮮なコーヒー豆を届ける。当たり前ともいえるそれこそが何より大事、というのが里館氏の考えだ。

焙煎技術を若い世代に伝え、次の時代への架け橋に

焙煎は、浅い深いの度合いよりも、コーヒー豆がシワなくふっくらと膨らんだ瞬間を見極めることを重視するという里館氏。生豆の鮮度が高い分、中までしっかりと火が通っていないと青臭さが残り、過度に煎れば苦味が際立つ。美しく焼き上がった時がもっとも美味しいコーヒーになる時だと話す。

今、里館氏の元には焙煎を学びたいと多くの若者がやってくる。同店で技術を習得し、地元仙台で独立した焙煎士も多い。取材に訪れた日も一人の若者が焙煎室に立ち、黙々とその技術を磨いていた。彼もまた仙台の新たなコーヒー文化を担っていくのだろう。

先輩、仲間、お客様に支えられて

最後に、厳しいコーヒーの世界で生きていくことに迷いはなかったのかと問うと、「先輩たちがいたから」という一言を添えて、躊躇はなかったと答えた。創業する直前、東京や大阪でその道を極めようと立ち上がった先駆者たちを多く見ていた里館氏。自家焙煎コーヒー店が少なく、新鮮なコーヒーを飲める場が少ない仙台で、彼らのように自分が美味しいと思うコーヒーを届けるだけ、と前だけを見ていたという。

また、志を維持できたことの背景に、東京のコーヒー商社の存在は大きいと話す。同社を介しブラジル・セラード地区の契約農園から生豆を仕入れているネルソンコーヒー。その創業者が自社農園を切り開き、日本での販売事業を始めたのが、ネルソンコーヒーの創業とちょうど同じ時期だったという。

先輩や仲間、お客様に支えられながら、一途に鮮度の高いコーヒーを提供し続けてきたネルソンコーヒー。里館氏の揺るぎない信念は、これからも変わらず貫かれていくことだろう。

Product商品詳細

有限会社 ネルソンコーヒー杜のブレンド

(200g)988円(税込)

  • 価格は取材時点のものになります

契約農園から仕入れるブラジル・セラード産のコーヒー豆を6割使用。中深煎りのフルシティーローストに仕上げ、甘い香りとコク、バランスのとれた味わいが特徴。インターネットでの小売販売も受け付けており、注文を受けてから焙煎。煎りたての新鮮な状態で届ける。

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Company会社情報

会社名 有限会社 ネルソンコーヒー
住所 981-0952 宮城県仙台市青葉区中山5-19-21 
電話 022-303-2870
FAX 022-303-2871
営業時間 10:00〜19:00 
定休日 土、日、祝日
HP http://www.nelsoncoffee.com/
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