珈琲人名鑑

お米を保存する発想から生まれた
米処・山形のコーヒー屋

山洋商事 有限会社代表取締役 舩山洋樹

山形の気候をいかした米蔵で生豆のままねかせる特殊な方法を用いて独自のコーヒーを追求する会社がある。SANYO COFFEEのブランドで山形や仙台のホテル、関東の有名百貨店などに商品を展開する山洋商事だ。良質なコーヒー豆を低温除湿蔵庫で長期間保存し、同社にしかできない味わいを作り上げる、2代目社長の舩山洋樹氏に話をうかがった。

コーヒーが一般に普及すると察し、会社を創業

SANYO COFFEEブランドを展開する山洋商事の始まりは1965年。折しも全国で喫茶店ブームというなか、先代社長が会社を立ち上げた。当時は山形でコーヒーを販売する会社はほとんどなかったため、卸売業をメインとして事業を拡大。現在の社長である舩山洋樹氏は1993年に入社、2002年より現職を務める。

現在は、山形を代表するホテルであるホテルメトロポリタン山形を始め、県内外のホテルや飲食店などへの卸や、関東の有名百貨店への催事出店、個人向けの通販などを行なっている。

米蔵で低温除湿保存、独自の味を生み出すエイジング製法

SANYO COFFEEの代名詞とも言えるのが生豆を一定期間保存し熟成させるエイジング製法だ。先代が1980年代から始めたというこの製法は、米を保存管理する低温除湿倉庫(米蔵)の中で、最低3年から5年、なかには10年以上かけてコーヒー豆をねかせ、含まれる水分を落としていく。

ねかせた生豆を焙煎すると、クッキーの焼けるような甘い香りが漂い、ドリップしたホットコーヒーは黒糖のような甘い香りがする。また、良質で味に特徴のある生豆だけが、落ち着いたコクと甘みに熟成することも面白みのひとつだ。

私が伝えたいコーヒーは
飲んでもらえればわかります

直火式の焙煎機3台を使い分け、ゆっくりと時間をかけて焙煎

ねかせた生豆を焼くのは、3台の直火式焙煎機。シングルオリジンなど、特に産地の個性的な味を引き出したい時はアメリカ製15キロのディードリッヒロースター、業務用など焙煎量がある時は日本製30キロの富士ローヤル焙煎機、さらに味に深みを持たせたい時はオランダ製3キロのギーセンを使用している。「焙煎は業務用も含めて、私一人で全部やります。大変ですけど、これだけは人に任せられない」と舩山氏は笑う。

エイジング製法により水分量の減った生豆の焙煎は、焦げやすく、細心の焙煎技術が必要とされる。「焙煎は科学。美味しく焼き上げるために、良質の生豆と焙煎時間にこだわっています」という言葉のとおり、舩山氏は直火式の焙煎機でゆっくりと焼き、甘みや酸味、コク、そしてコーヒー豆の特徴を引き出すよう心がけている。

濁りや雑味のない味を実現するグラニュレーター

焙煎したコーヒー豆をすぐに出荷せず、10日から2週間以上経って粉砕し、商品化するのも同社のユニークな点だ。薬の原材料を粉砕し分別する特殊な機械、グラニュレーターを使用し、摩擦熱を加えずにコーヒー豆を挽き、微粉や渋皮を完全に取り除くことで、濁りや雑味のないスッキリとしたコーヒーに仕上がる。また、コーヒー豆を均一の大きさに挽いているため、ハンドドリップの際には砂に水をかけた時のようにすっと落ちるのも特徴だ。

お湯を注いでも膨らまないため、「商品には『このコーヒーは膨らみません』という説明書きを入れています。膨らまないけれど美味しい。他社とは手法がまったく違うから、実現できる味なんです」と舩山氏。

商品のみならず、その伝え方にもこだわり

先代から引き継いだエイジング製法という商品そのもののオリジナリティにくわえて、これからはそれを伝える宣伝方法も工夫する必要があるという考えから、パッケージデザインにも力を入れている。

例えば、アイスコーヒーは日本酒を連想させる上質なボトルに入れ、ギフト用に県産の桐箱も用意した。また簡易的な包装になりがちなレギュラーコーヒーでさえ、艶やかな紙で作ったデザインパッケージで販売するなど、商品企画からお客様の購買を喚起するマーケティングまでをトータルで行なっている。「コーヒー作りはもちろん、普通の会社ではやれないことをやって、もっと高みを目指したいですね」と語る舩山氏。SANYO COFFEEの次の展開に注目したい。

Product商品詳細

山洋商事 有限会社米蔵熟成コーヒー大吟熟7年熟成

(200g)2,700円(税込)

  • 価格は取材時点のものになります

ブラジル、コロンビア、グアテマラ、メキシコのオーガニック100%の生豆を、それぞれ7〜10年ねかせて熟成させた、落ち着いた甘みとコクのあるコーヒー。焙煎度は中煎で、高級感のあるパッケージにもこだわった、SANYO COFFEEの看板商品。雑味の元となる渋皮や微粉を取り除くため、粉の商品のみで販売。

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Company会社情報

会社名 山洋商事 有限会社
住所 990-0071 山形県山形市流通センター1-11-3 
電話 023-633-3425
FAX 023-633-3423
営業時間 10:00〜17:00
HP https://www.sanyo-coffee.com/
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