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奥深いブレンドコーヒーの世界。ストレートとの違いや配合のポイントを解説

複数のコーヒー豆を混ぜ合わせて楽しむブレンドコーヒー。配合するコーヒー豆の種類や割合によって、味わいや風味は無限に変化します。コツをつかめば自分好みのオリジナルブレンドを作り出すことも可能です。

1.ブレンドコーヒーってどんなコーヒー?

コーヒー豆を買う時やカフェでコーヒーを飲む時、よく目にするブレンドという表現。実際のところ、ブレンドコーヒーとはどういうコーヒーなのでしょうか?

まずは、ブレンドコーヒーの概念やストレートコーヒーとの違いについて説明します。

複数のコーヒー豆を混ぜ合わせること

コーヒー豆の種類や産地、焙煎度合いなどによって、コーヒーの味わいや風味は変化します。こうしたコーヒー豆の個性をバランス良く組み合わせると、1種類のコーヒー豆だけでは生み出せない、奥深い味わいや複雑なアロマを楽しむことができます。

このように、複数のコーヒー豆を混ぜ合わせたコーヒーをブレンドコーヒーと呼びます。

ブレンドには2つの方法がある

コーヒー豆のブレンドには大きく2つの方法があります。生豆の状態でブレンドしてからまとめて焙煎するプレミックスと、焙煎後のコーヒー豆をブレンドするアフターミックスです。

プレミックスはシンプルな工程が最大の魅力。けれど、どのコーヒー豆も同じ焙煎度合いになるため、味のバラエティが出しにくいと言われます。一方のアフターミックスは工程がやや複雑な上、焙煎後のコーヒー豆を保管するサイロやなど特殊な設備も必要です。手間はかかりますが、組み合わせ方によってバリエーションは無限に広がります。

ブレンドコーヒーとストレートコーヒーの違い

複数のコーヒー豆を混ぜ合わせるブレンドコーヒーに対して、ストレートコーヒーは同じ産地のコーヒー豆だけを使います。ブレンドコーヒーとストレートコーヒーの違いは、コーヒー豆の個性の出方にあります。

2種類以上のコーヒー豆を組み合わせるブレンドコーヒーは、それぞれの個性が弱くなるものの、バランスの取れた美味しさを実感できるでしょう。ストレートコーヒーはコーヒー豆の個性や特長を強く感じられるため、ブレンドコーヒーよりもくっきりとした味わいを楽しめるはずです。

ちなみに、ブレンドコーヒーで配合するコーヒー豆の種類や割合には決まったルールがないため、ブレンダーの技術や好みによってさまざまな商品が生まれます。ただし、「キリマンジャロブレンド」など商品名に産地や銘柄を表記するには、その産地のコーヒー豆が30%以上ブレンドされていることが条件となっています。

2.ブレンドコーヒーのメリット

複数のコーヒー豆を配合するブレンドコーヒー。ストレートのままでも美味しいコーヒー豆をブレンドすることには、どんなメリットが隠されているのでしょうか?

それでは、ブレンドコーヒーのメリットを見ていきましょう。

コーヒーの味わいを無限に広げられる

コーヒー豆の組み合わせ、焙煎度合いによって無限に広がる味わい…これこそがブレンドコーヒーの最大のメリットです。ストレートコーヒーでは味わうことのできない新しい風味を発見できるなど、コーヒーの楽しみ方が増えるはず。

自分好みの美味しさを追求できるのもブレンドコーヒーの良いところ。例えば、キリマンジャロコーヒーのフローラルな甘い香りとコクは好きだけど、はっきりとした酸味が苦手という場合。ブラジルなどのコーヒー豆とブレンドすると、キリマンジャロの持ち味を生かしつつ、酸味を抑えたバランスの良い味わいに仕上がります。

安定した品質や価格を実現しやすい

コーヒー豆は農産物の一種。他の農産物と同じように、気候の変動や災害などによって品質にバラつきが出たり価格が変動したりします。しかしブレンドコーヒーなら、生産状況に関わらず、安定した品質や価格を実現しやすいと言えます。

例えば、A・Bの2種類のコーヒー豆をブレンドした商品があるとしましょう。年度によって、Aの価格が高騰することもあればBの品質が落ちてしまうこともあるでしょう。けれど、他のコーヒー豆を代用するなどして、ブレンドコーヒーとして一定の味わいと品質や価格を提供し続けられるのです。

ブレンドコーヒーがコーヒー専門店や喫茶店の看板メニューとなることが多いのも、安定した味をいつでも届けやすいからかもしれませんね。

3.ブレンドコーヒーの作り方

ブレンドコーヒーは複数のコーヒー豆を混ぜ合わせること。とはいえ、コーヒー豆を適当に組み合わせるだけでは、思うような風味にはなかなか到達できません。

そこで、ブレンドコーヒーを作りたい人のために、知っておきたい知識をお伝えします。

ブレンドする時の考え方

先ほどお伝えした通り、ブレンドコーヒーには決まったルールはありません。けれど、あまりにたくさんのコーヒー豆を混ぜ合わせると、それぞれの持ち味が消えて、ぼやけた味わいになる可能性も。そのため、ブレンドコーヒーは3~5種類程度のコーヒー豆で構成するのが一般的です。

ブレンドに対する考え方は人それぞれですが、初心者ならまずは基本的な方法から始めてみてください。

【ブレンドコーヒーの基本的なブレンド方法】
1. 味の中心となるベースのコーヒー豆を選ぶ。
2. ベースのコーヒー豆と正反対の特長を持つコーヒー豆を組み合わせて風味に幅を持たせる。
3. ベースのコーヒー豆と似た特長を持つコーヒー豆を組み合わせて全体のバランスを整える。
4. お好みで個性的な風味のコーヒー豆を追加して、味にアクセントをつける。

街で提供されるブレンドコーヒーは、何十種類ものコーヒー豆の特長を記憶し、焙煎度合いによる味わいの変化までも理解するブレンダーの手によるものです。しかし、ブレンドコーヒーの黄金比率さえ理解しておけば、そこまでコーヒーに精通していなくても、美味しいブレンドコーヒーを作ることができます。

【ブレンドコーヒーの黄金比率例】
・マイルドな風味を出したい時 コロンビア:ブラジル:モカ:ロブスタ=4:3:2:1
・コクのある風味を出したい時 コロンビア:ブラジル:マンデリン:グァテマラ=4:2:2:2
・サッパリした風味を出したい時 コロンビア:ブラジル:モカ:グァテマラ=3:3:2:2
・苦みのある風味を出したい時 コロンビア:ブラジル:キリマンジャロ:ロブスタ=3:3:2:2

まずは黄金比率に忠実なブレンドコーヒーにチャレンジしてみて、そこから自分らしい味に近づくようオリジナルの割合を探ると良いでしょう。

好みのブレンドコーヒーを作るポイント

自分好みのブレンドコーヒーを作るには、さらにいくつか押さえておきたいポイントがあります。

コーヒー豆は3~5種類を用意して、それぞれをまずはストレートコーヒーとして飲んでみましょう。浅煎りのブラジルはナッツやトーストのような香ばしさ、浅煎りのマンデリンは果実感のあるコク、深煎りのコロンビアはキレのある飲み心地など、味の個性や特長をメモしておくとブレンドする時の参考になります。

お気に入りのコーヒー豆があるなら、焙煎度合いの異なるものをいくつか用意しておくのも良いですね。

ベースとなるコーヒー豆は抽出後に立ち上るアロマを醸し出し、ファーストインプレッションを左右します。自分がいちばん好きな味わいのものを選ぶのがおすすめ。3割程度が配合の目安。個性を強く出したくても、全体のバランスを考慮して5割程度に抑えておきましょう。

個性を強調する、コクを重視する、または全体のバランスを整えるなど、完成イメージをしっかり持つことも大切です。

4.ブレンドコーヒーで好みの味わいを追求してみて

ブレンドコーヒーは、それぞれのコーヒー豆の個性が織りなす、絶妙な風味が魅力です。自分で作るのにはコーヒー豆に関する深い知識が必要ですが、ポイントさえ押さえれば不可能ではありません。

コーヒーの味わいにこだわるなら、自分の好みを追求したブレンドコーヒー作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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