珈琲人名鑑

北海道初の自家焙煎店の自負を胸に
道内コーヒー文化の発展に尽力

美鈴商事 株式会社代表取締役社長 鈴木修平

北海道・函館は日本初の国際自由貿易港として開港した異国情緒溢れる街だ。そんなコーヒーが似合う街で、北海道初のコーヒー焙煎会社として産声を上げた「美鈴珈琲」。3代目社長である鈴木修平氏に、同社と北海道のコーヒーの歴史について伺った。

昭和初期に創業し、北海道のコーヒー文化を開拓

鈴木修平氏の祖父にあたる創業者の鈴木武二氏は、天皇陛下を警衛する近衛兵として上京。約2年間勤務した後、1932年に函館で北海道初のコーヒー焙煎店を創業した。昭和初期の函館では、さらし袋にコーヒー粉を入れて何度も煮出して抽出するという、今では考えられないお茶のような飲み方でコーヒーが飲まれていた。同社は美味しいコーヒー提供するために、1杯ずつ抽出することを提案。当時は「1杯淹れてコーヒー粉を捨てるのは、儲けたいからだろう」と中傷を受けることもあったそうだが、函館から北海道全土に美味しいコーヒーの文化を広めていくのだという使命に燃え、喫茶店の意識改革に地道に取り組んでいった。

函館ブランドを北海道内から東京へ

「美鈴珈琲」は2代目である修平氏の父親がコーヒー原料の仕入れ窓口を作るために東京に進出。修平氏は東京で生まれ育ち、大学卒業後は大手商社に就職した。転機は30歳。1995年に3代目として家業を継ぐことを決意し、創業の地である函館に転居したのだ。

時はまさにコーヒーのセカンドウェーブ真っ只中。シアトル系カフェチェーンが日本に上陸するなかで、受け継いだ会社を守っていくことに必死になりながら、修平氏は自社の優位性を模索していた。「函館は横浜や長崎と同じく西洋文化の玄関口となった異国情緒溢れる魅力的な街。コーヒーとの関わりも深いのに、それを伝えきれていない」。そう思った修平氏は、函館に根ざした自家焙煎店である美鈴珈琲が、そのことをもっと発信していかねばと、直営店の看板に「函館」の地名を入れるようにした。現在、東京に5店、全国に計24店を構えている店舗では、函館ブランドの認知拡大にも努めている。

日本ならではのコーヒー文化と
北海道のコーヒーの美味しさを伝道

オーダーメイドを可能にするジェットロースターを導入

現在、店頭ではお客様がその場で生豆を選び、ジェットロースターですぐに焙煎するオーダーメイド式の販売を行なっている。生豆の計量、焙煎、粉砕といった工程に加え、店側はお客様ごとのレシピを作る必要があるため、オペレーションの手間がとにかくかかる。しかし、自分好みの焙煎度合いを指定でき、焼き立ての新鮮なコーヒー豆を100gから購入出来るオーダーメイド式販売の支持はとても高かった。2005年、東京・浜田山にジェットロースターを導入した直営店が一躍注目を集めたことで、「オーダーメイド式販売は新たな事業の柱になる」と修平氏は確信したという。

コーヒー文化の継承と発展のため、資格制度作りに尽力

日本のコーヒー文化の継承と発展のために、コーヒー従事者一人一人が確かな知識と技術を身につけることが重要だと考え、全日本コーヒー商工組合連合会の資格認定制度である「J.C.Q.A.コーヒーインストラクター検定」の立ち上げに尽力、現在総責任者を務める。これは日本オリジナルの検定で、今ではコーヒーに携わる人の多くが取得している。「ワインのソムリエのようなきちんとした資格制度を作らなければ日本のコーヒー文化は世界に負けてしまう」。そう語る修平氏の言葉には、一経営者を超えた情熱が宿っている。

北海道はコーヒーが美味しい、と皆が思う日を目指して

美鈴珈琲の社是は「誠実なる挑戦」。老舗としての伝統を守りつつ、会社として目指しているのは「北海道はコーヒーが美味しい、と皆に認識してもらえるようになること」だという。カフェや喫茶店だけでなく、観光客が泊まったホテルで何気なく飲む朝のコーヒーでさえレベルを上げていきたい、と鈴木氏は語る。

北海道はコーヒーの美味しさに関連する水に恵まれた土地。さらに乳製品の品質も高い。美鈴珈琲では、コーヒーに関心を持ってもらうための入り口として、コーヒー味を全面に押し出したソフトクリームも販売している。昨今では、北海道の美味しい物産を求めて国内外からたくさんの観光客が訪れている。そのお目当てのなかに北海道の美味しいコーヒーが挙がるのもそう遠い話ではなさそうだ。

美鈴商事 株式会社
住所 042-0914 北海道函館市上湯川町1-1
電話 0138-57-2233

Product商品詳細

美鈴商事 株式会社美鈴特選ブレンド

(生豆100g)560円(税込)※焙煎により15%程度重量が目減り致します。

  • 価格は取材時点のものになります

ブラジル・コロンビア・グアテマラなどの産地から厳選したコーヒー豆で作った、美鈴コーヒーの代表ブレンド。 飲みやすくスッキリとした後味が特徴。ECサイトより、4段階のローストから好みの焼き方を選んで購入することができる。生豆での購入も可能。

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Company会社情報

会社名 美鈴商事 株式会社
住所 157-0062 東京都世田谷区南烏山6-18-21 
電話 03-6279-5821
FAX 03-6279-5833
営業時間 9:00〜17:30
定休日 日、祝日
HP http://www.misuzucoffee.com/
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