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喫茶店とカフェの違いは名前だけじゃない!純喫茶やバルとの違いもチェック

喫茶店とカフェの違いは、取得している営業許可の種類にあります。この2つの大きな違いはアルコールの提供が認めらているかどうかですが、この他にもいくつかの違いが見られます。本記事では、喫茶店とカフェの違いや日本での歴史、喫茶店やカフェに似た純喫茶やバルの特長について解説します。

1.喫茶店とカフェの違い①イメージ

喫茶店とカフェに対してそれぞれ異なったイメージを抱く人は少なくないでしょう。まずは、喫茶店とカフェから連想されやすいイメージを紹介します。

喫茶店のイメージ

喫茶店と聞いて良く連想されるのは、レトロな雰囲気やアンティーク調の家具や食器が並ぶ店内ではないでしょうか。昔から営業を続けているような、重厚感のある店が多い印象です。店内は騒がしくなく、静かで落ち着いた空間。提供されるコーヒーや紅茶を、ゆったりと味わえます。

カフェチェーンのようなチェーン店や大規模な店舗は少なく、店舗付き住宅などの小規模経営や個人経営が多いイメージであるのも喫茶店の特長と言えます。

カフェのイメージ

喫茶店がレトロ、アンティークといった印象なのに対し、カフェは現代的でおしゃれなイメージが強いかもしれません。店内のインテリアは日本らしいものやレトロなものより、欧米風のもの。そのため、店内が明るく、開放的な雰囲気です。

また、カフェには大型店舗がよく見られます。特に街中などの人手がある地域では、その傾向が顕著でしょう。また、チェーン店が豊富なのもポイントです。コーヒーや紅茶の他に、パスタなどの食事メニューも豊富なので、コーヒーを飲む以外の目的で利用されることもあります。

2.喫茶店とカフェの違い②定義

喫茶店とカフェには、営業許可の種類に違いがあります。また、それに伴って調理レベルや設備にも違いがあります。ここからは、喫茶店とカフェの定義や営業形態を詳しく紹介していきましょう。

営業許可が異なる

カフェは飲食店営業許可を取得しています。一方、喫茶店は飲食店営業許可よりも取得しやすい喫茶店営業許可があれば開業可能です。

飲食店営業許可と喫茶店営業許可には、アルコールの提供に可否があります。飲食店営業許可はアルコール提供できるのに対し、喫茶店営業許可はアルコールが認められません。

喫茶店のなかには、アルコールが提供される店舗も見られます。そのようなお店は、喫茶店を名乗っていても飲食店営業許可を取得しているのです。

可能な調理レベルが異なる

営業許可には、アルコールの提供可否だけではなく、可能な調理の種類にも差があります。喫茶店営業許可で可能な調理は、加熱調理などの単純なもののみ。そのため、喫茶店のメニューではトーストなどの軽食や、ケーキのような菓子類が多く見られます。

一方で、飲食店営業許可は加熱調理以外も認められているため、非常に幅広い飲食物の提供ができます。カフェでは、パスタを始め、メニューのバリエーションも豊富で手の込んだ料理を提供していることが多いです。

アルコールの提供と同様に、手の込んだ料理がメニューに載っている喫茶店は、喫茶店営業許可ではなく飲食店営業許可を取得していると推測できるでしょう。

設備要件が異なる

営業許可の種類で変わるのは、提供される飲食物だけではありません。営業するために必要な設備も、2つの営業許可では異なります。

喫茶店営業許可を取得した店は、店内が清潔かつ衛生的で、給水と汚水処理が分かれていれば営業可能です。一方、カフェは喫茶店営業に必要な条件に、冷蔵設備や洗浄設備、給湯設備、客席、客用トイレなどの要件がくわえられます。

飲食店営業許可を取得した方が複雑な調理が可能なので、飲食物を衛生的に保管したり洗浄する設備が必要になるのです。

3.喫茶店とカフェの違い③歴史

日本での歴史が古いのは、喫茶店だと思われがちです。しかし実は、先に日本にできたのはカフェでした。喫茶店もカフェも、誕生から現代の形になるまで長い歴史があります。ここからは、それぞれの歴史について詳しく見ていきましょう。

カフェの歴史

1888年、東京上野の可否茶館という複合カフェが、日本で最初にできたカフェとされています。可否茶館がきっかけとなり、少しずつ人々にカフェが認知され始めたのです。1925年にはカフェが急増し、そこから派生的にバーやキャバレーのような店舗も現れました。

人々で賑わいを見せたカフェですが、1929年に下された取締令により、店舗数は減少してしまいます。その後、第二次世界大戦が勃発したことでコーヒーは贅沢品となりました。コーヒーの輸入は禁止され、カフェは次々と廃業や転業に追い込まれていきました。

そこからカフェの暗黒期は続き、戦争終結後となる1950年にやっとコーヒーの輸入が再開されます。コーヒー豆が手に入るようになると、カフェは息を吹き返すように再び街に現れました。当時輸入されたコーヒー豆のほとんどは、個人経営のカフェで消費されたと言われています。

喫茶店の歴史

喫茶店は、1929年に取締令が発令されてから急増しました。コーヒーや軽食を提供する店として喫茶店や純喫茶を名乗ったのが、人々に認知されていったのです。喫茶店もカフェと同様に、戦争の影響を大いに受けました。そして、戦後はカフェとともに息を吹き返します。

戦後になってからは、オーナーの趣味や好みを反映した個性的な店舗が目立ち始めました。コーヒーと一緒に音楽を楽しめる音楽喫茶がブームとなり、名曲喫茶、歌声喫茶、ロック喫茶やジャズ喫茶などバラエティに富んだ喫茶店が誕生したのです。

その後は音楽だけではなく、読書を楽しめる漫画喫茶のような形態も登場します。しかし喫茶店は、1981年をピークに減少傾向にあります。

4.喫茶店とカフェの違い④似ているお店

喫茶店とカフェ以外にも、違いが分かりにくいお店があります。純喫茶やバルは、特に違いが説明し難いかもしれません。ここでは、喫茶店とカフェに似ているお店について解説していきます。

純喫茶

明治初期の日本では、カフェでお酒も提供するカフェバースタイルのお店が多く存在しました。そこからバーやキャバレーが誕生したのですが、1929年に取締令が発令されてからは、カフェとバーがしっかりと区別されるようになったのです。

お酒を提供する店に対し、1日中コーヒーを提供する店舗は、差別化のために喫茶店や純喫茶と名乗るようになりました。喫茶店営業許可を取って営業している店をイメージすると、分かりやすいでしょう。

バル

日本でバルと聞くと、居酒屋をイメージする方が多いかもしれません。しかし南ヨーロッパでは、酒場だけではなく軽食喫茶店もバルと呼ばれるのです。バルのスタイルはさまざまで、食事メイン、コーヒーメイン、ジェラートメインなどメインとするものはお店によって異なるのがポイント。切符やタバコの販売を行う店がある他、イタリアでは社交場的な役割を果たしています。

5.喫茶店とカフェの違いを知ってそれぞれの違いを楽しもう

喫茶店とカフェは、営業許可の種類に違いがあります。最近は飲食店営業許可を取得している喫茶店も多く見られます。どちらの許可を取得しているのか見分けるには、お酒の提供の有無や調理レベルに注目してみると良いかもしれません。

喫茶店もカフェもそれぞれ違った良さを持っています。気分に合わせて店を使い分けて、コーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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