珈琲人名鑑

東京駅の八重洲地下街で続く
昔ながらの喫茶店

ロータスフィールド 株式会社代表取締役 蓮田由紀

東京駅から直結する八重洲地下街。サラリーマンたちで賑わうこの場所に約50年間続く喫茶店、アロマ珈琲がある。今回は八重洲地下街で最も古い同店を経営するロータスフィールドの代表取締役、蓮田由紀(はすだ・ゆうき)氏にその歴史や昔ながらのコーヒーについて聞いた。

常連客から愛される、八重洲地下街の喫茶店

ロータスフィールドの始まりは1970年。蓮田由紀氏の父親が香りの良いコーヒーを提供したいという想いを込めて、「アロマ珈琲」という名の喫茶店を東京駅・八重洲地下街にオープンした。蓮田氏が後を継いたのは1986年のこと。それから30年以上にわたり、東京駅の移り変わりを見てきた同店は、八重洲地下街で最も古い喫茶店となった。

歴史の面影は、店内を見てもよくわかる。店舗の上には東京駅開発の際に八重洲駐車場が作られたため、天井がスロープの形状にあわせて斜めになっている。また、同店は八重洲地下街で唯一、入り口で階段を数段降りて入店する、半地下の店としても知られている。

サイフォンで淹れる、もう一杯飲みたくなるコーヒー

アロマ珈琲では、ブレンドを含む約10種類のコーヒーを提供している。看板メニューは、ブラジルをベースに6種類のコーヒー豆を配合したアロマブレンドだ。アロマブレンドは1杯目を飲み終えたお客様には、2杯目がサービスされる。豆の種類で選ぶストレート珈琲は、2杯分の量が入ったサイフォンコーヒーとカップ&ソーサで提供している。「もう一杯あると思うと、気にせずごくごく贅沢に飲めるでしょ」と蓮田氏。昔ながらの喫茶店のコーヒーは、苦みはありつつも、さらっとした後味が特徴だ。

香り高きコーヒーを提供するために同店がこだわっているのが、サイフォン抽出。カウンターを見ると、熱源として使用しているのは、ガスや電気ではなくアルコールランプだ。手間はかかるが、創業時からの味を保つために抽出方法を変えないのがポリシー。平日はサイフォンで淹れた「日替わりのシングルオリジンコーヒー」も楽しめる。

釜に染み付くコーヒーのオイルと香り。
長年使う焙煎機でしか作れない味がある。

ほぼ独学から日々練習を重ね、直火式焙煎を習得

美味しいコーヒーの定義は、「飲み終わった後にもう一杯飲みたいと思うコーヒー」という蓮田氏。同社は八重洲・アロマ珈琲のほかに、東京・杉並に焙煎所と小売の店舗も構えている。

焙煎は長年使い続ける30キロ釜の直火式焙煎機を使用。先代からは基本を学んだが、その後はほぼ独学。どうやれば中まできちんと火が入り、きれいに焼けるか日々トライ&エラーを繰り返しながら改善してきたという。受け継いだ直火式焙煎機の特徴はえぐみが出にくく、苦みが穏やかなこと。釜に染み付いているコーヒー豆のオイルや香りがあるため、もはやこの焙煎機でしか作れない味があると言う。

名物メニューは、創業当時から人気のジャンボトースト

コーヒーとともに、小腹を満たす軽食も人気だ。なかでもジャンボトーストは創業時からの人気メニュー。切れ目が入った厚切りのトーストに、バターといちごジャム、さらに小倉あんまで添えられている。満足感たっぷりのトーストは、ランチタイムはもちろん、一日中注文が絶えないという。また、常連のお客様のなかには、セットの餡子をコーヒーに入れて飲む人もいるとか。これもまた昔ながらのコーヒーの楽しみ方の一つなのだろう。

時代が変わっても、コーヒーと心地良い空間はそのまま

八重洲地下街で最も古い喫茶店とされるアロマ珈琲は、東京駅の開発と地下街の移り変わりを見守ってきた。周りには海外から上陸した大手コーヒーチェーンの店舗も増えたが、70席ある店内に座っていると、絶え間なくお客様が入ってくるのが分かる。商談をするサラリーマン、新聞を広げて寛ぐ常連客、ケーキセットを嬉しそうに食べる女性たち。長年続く店の貫禄をまざまざと見せられた。

コーヒー豆の焙煎から、メニュー開発に至るまで、すべてを一から手掛けてきたという蓮田氏。積み上げてきた同店の歴史を誇りに、変わらない味と心地の良い空間をこれからも守り続けていく。

Product商品詳細

ロータスフィールド 株式会社アロマブレンド

(100g)285円(税別)

  • 価格は取材時点のものになります

ブラジルをベースに約6種類のコーヒー豆を配合している店の看板ブレンド。昔ながらの苦みのある味わいとさらっとした後味が特徴。「もう一杯飲みたくなる味」をコンセプトに創業時から使用している焙煎機で焼いた、創業以来変わらない中煎りのブレンド。

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Company会社情報

会社名 ロータスフィールド 株式会社 アロマ珈琲
住所 104-0028 東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中4号
電話 03-3275-3531
FAX 03-3334-3400
営業時間 6:30~21:30(平日)
7:00~21:00(土曜日)
7:30~21:00(日・祝)
定休日 年中無休(元日を除く)
HP http://www.aromacoffee.co.jp/
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