珈琲人名鑑

嗜好や味覚を数値化して作る
理想のオリジナルブレンド

三本珈琲 株式会社食品安全・開発研究本部 部長 山口章

横浜で創業し、長年プライベートブランドの商品開発に力を入れてきた三本珈琲。現在、首都圏にある多くの5つ星ホテルが、同社製造のオリジナルブレンドを採用している。今回は、医学研究科博士という異色の経歴を持ち、同社の商品開発から生産管理まで一手に担う山口章氏に同社商品が支持される理由を聞いた。

オリジナルブレンド作りと開業支援で事業を拡大

外国文化の玄関口である横浜で1957年に創業した三本珈琲。創業当時は喫茶店ブームの真っ只中で、各店ごとのオリジナルブレンド作りはもちろん、お手拭きやストロー、食器からスイーツなどの食品、販促物に至るまで、開業店舗をトータルで支援することで事業を拡大していった。

現在は、取引先にあわせて約100種のオリジナルブレンドを製造。その信頼度は高く、東京にある5つ星ホテルの多くも同社製造のオリジナルブレンドを採用している。

味を科学的に分析し、理想のオリジナルブレンドを作成

「選ばれる理由は、科学的データをもとに商品開発を行っているからです」と話すのは、医学研究科、博士課程修了のドクターという異色のキャリアを持つ、食品安全・開発研究本部、部長の山口章氏だ。

一般的にコーヒーは、感覚や経験値から味作りを行うことが多いが、山口氏が統括する商品開発では、データに基づく市場調査と味作りを徹底的に行なっている。具体的には、取引先のお客様の世代や性別、嗜好の調査から始まり、コーヒーとともに出されるフードメニュー、店舗の雰囲気などをリサーチ。味に関する情報は、味覚センサーで数値化して分析を行うことで、どのような味のコーヒーを作りたいか、目標を明確に設定できる。また、試飲会などであがってくる「もうちょっと苦く」といった曖昧な表現も、数値化しながら味を調整することで、商品開発者とクライアントが共通認識を持ちながら理想的なオリジナルブレンドを作れるのだ。

同品質のコーヒー豆を安定的に
供給し続けるのがメーカーの務め

直輸入の生豆は、焙煎前に3回の品質チェックを実施

コーヒーを製造するにあたり、生豆の6割を直輸入している三本珈琲では、品質管理も徹底している。買い付けた生豆は、まず産地の港で船積みする前にカッピングで確認。さらに日本に入港した時点で輸送中の劣化が無いかをチェック、最後に工場の入庫検品を経て焙煎工程に移る。

「メーカーにとって大事なのは、いい生豆を仕入れることはもちろんですが、同じ品質のものを安定的に仕入れ、供給すること。それがメーカーの務めなんです」。山口氏の言葉からは、各取引先のオリジナルブレンドを任されている責任感と気概が伝わってくる。

こだわりのコーヒーとシェフとともに開発したメニューを提供

オリジナルブレンド作りを強みにBtoB領域で成長してきた同社が今、注力しているのが、「安全・安心で最高に美味しいコーヒーを提供する」をコンセプトに約50店を展開する自社運営の店舗だ。

空港や駅などに構える「caffe LAT.25°(カフェ ラットニジュウゴド)」や、ノスタルジックな雰囲気の喫茶店「横濱珈琲物語」など、コンセプトはさまざま。店舗全体のリブランディングも実施しており、コーヒーはもちろんのこと、フードに関しても一流ホテルやレストラン出身のシェフを招いて開発したフードメニューを展開している。

新たなコーヒーの楽しみ方を探求したい

取引先の商品から自社で運営する店のコーヒーまで、すべての商品開発から品質管理を統括する山口氏。今後の目標を聞くと、「これまでのコーヒーの概念を覆すような新しいコーヒー文化を作ること」と答えが返ってきた。例えば、味覚だけでなく匂いも数値化することで新たなコーヒーの魅力を伝えられるのではないか。コーヒーは抽出した液体を飲むだけでなく、ひとつの素材として食するという提案もありではないか、などアイディアは尽きない。

直営店のリブランディングをはじめ、長年続く会社だからこそ、コーヒー業者として変化の時期にあるという三本珈琲。コーヒーという嗜好品が科学を用いることで、さらにどのように広がりを見せるのか、今後の展開が楽しみだ。

Product商品詳細

三本珈琲 株式会社三本珈琲

(180g)645円(税込)

  • 価格は取材時点のものになります

中米地域のホンジュラス、ニカラグア、南米地域のコロンビア、アジア地域のパプアニューギニア、アフリカ地域のタンザニアのコーヒーをバランス良くブレンド。1杯で全地域の香味を楽しめる。開発時には多くの社員に試飲してもらい半年の試行錯誤を経て完成した同社自慢のオリジナルブレンド。

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Company会社情報

会社名 三本珈琲 株式会社
住所 221-0054 神奈川県横浜市神奈川区山内町15-4
電話 045-461-0111
FAX 045-450-5391
営業時間 8:50〜17:50
定休日 土、日、祝日
HP https://www.mmc-coffee.co.jp/
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